ドイツ名窯マイセンの歴史


 今回は食器というより、マイセン誕生の歴史をざっくりお伝えしたいと思います。

 マイセンは、中国磁器や日本の伊万里焼などへのあこがれから生まれた硬質磁器で、その誕生から今日への流れは、私が語りつくすことは不可能です。それは300年前、純白の磁器に強い情熱を傾けた人々の歴史であり、中でもアウグスト強王の東洋磁器を愛する情熱を抜きに語れないものだからです。

 17世紀、薄く、硬く艶やかな純白の硬質磁器は、ヨーロッパの人々の憧れでした。列国の王侯貴族、事業家たちはその製法を見つけようと懸命でしたが、とりわけドイツのザクセン選帝侯アウグスト強王は、東洋磁器の屈指の蒐集家であり、アウグスト軍の兵士600人とプロイセンの王所有の中国の壷151個を交換したという逸話もあるほどです。

 ちょっと突き抜けすぎた蒐集家ですね。強王の蒐集した磁器は、城館のデコレーションだけではなく、その製法の研究にも使われていました。(※錬金術師ヨハン・フリードリッヒ・ベトガーを監禁状態で研究させたといわれている)

 ベトガーは創造を絶する研究の末、1708年磁器に近いものを作り上げます。1709年には白磁製法を解明し、1710年ついにヨーロッパ初の硬質磁器窯「マイセン」を誕生させます。

 こうして多くの人の人生を費やした末、真っ白い硬質磁器を生みだしたドイツの名窯「マイセン」は誕生します。有名無名を問わず、多くの人の情熱と人生が込められて誕生したマイセン。その情熱と醍醐味、そして歴史の深みをマイセンの食器で感じていただければ幸いです。マイセンの歴史は、箱根マイセンアンティーク美術館で堪能できます。同時にマイセン公式HPも訪問してみてください。

深まる秋、マイセンで情熱の一杯をお召し上がりください。

ARISS

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